地域の高齢化率が高いため、変形性股関節症・変形性膝関節症に対する関節温存手術(寛骨臼回転骨切り術、高位脛骨骨切り術)や人工関節置換術が主な手術治療となっています。人工股関節置換術では、前外側アプローチによる最小侵襲手術(MIS)を、バイオクリーンルーム内で実施しています。このアプローチは、脱臼のリスクが低く、筋肉を切離しないため、術後の早期回復が見込まれ、高齢の患者さんの生活復帰に特に有効と考えられています。
また、軽度の変形性膝関節症に対しては、単顆人工膝関節置換術を行っています。さらに、麻酔科医の協力のもと、術後の疼痛軽減にも積極的に取り組んでいます。
手外科では、各組織の解剖学的再建に加え、それらの運動機能の調和を考慮しながら、手術およびリハビリテーションを行う必要があり、綿密な計画と繊細な手術手技が求められます。
橈骨遠位端骨折や手指・手根骨骨折などの外傷治療をはじめ、リウマチによる手の機能再建、キーンベック病に代表される手根骨壊死、母指CM関節症などの変形性関節症、肘部管症候群・手根管症候群などの絞扼性末梢神経障害、腱鞘炎、デュピュイトラン拘縮、良性の骨・軟部腫瘍など、幅広い疾患に対する手術を行っています。
腱板断裂、反復性肩関節脱臼、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)などに対しては、関節鏡視下手術による低侵襲治療を積極的に実施しており、術後の疼痛管理および早期リハビリテーションにも注力しています。
また、進行した変形性関節症や外傷後の機能障害に対しては、解剖型人工肩関節置換術、リバース型人工肩関節置換術、肘関節形成術などの再建手術も行っており、患者さんのQOL改善を目指した治療を提供しています。