当科は、小児がんを専門的に診療する小児血液腫瘍・造血細胞移植センターを礎に、2021年に小児血液・腫瘍内科として標榜開始しました。
現在、八幡病院は日本小児血液・がん学会および日本血液学会の専門医研修施設として認定されており、同学会をはじめ、日本造血・免疫細胞療法学会の専門医や指導医資格をもつ3名の小児科医師を中心に、看護師のほか多職種スタッフも協力してチームで診療にあたっています。また、市内に2施設しかない日本輸血・細胞治療学会の認定医制度指定施設として後進の育成にも努めています。
小児がん治療は、過去40年間に劇的に向上し、現在では約80%の患者さんが治癒するようになりました。しかし、その治療は、長期にわたり、様々な身体的・精神的苦痛や社会的困難が伴います。このため、当科では、患者さんやご家族の負担が少しでも軽減されるように話し合いの上、最も適切な治療法を選択していきます。
また、治療環境についても、抗がん剤や免疫抑制剤の治療による重要感染症を発症するリスクに対し、高い清浄度の個室病床内で化学療法を行うほか、造血細胞移植にも対応した病床も備え、患者さんのさらなる治癒可能性の向上に努めてまいります。
急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫などに対する化学療法を行っています。
小児がんの他に、再生不良性貧血や溶血性貧血など「赤血球の異常」、好中球減少症など「白血球の異常」、血小板減少症など「血小板の異常」、「凝固因子の異常」といった、非腫瘍性血液疾患の診療を行っています。
脳腫瘍以外の固形腫瘍に対する化学療法も行っています。より専門的な手術や放射線治療が必要な場合は、当院小児外科および関連診療科、診療協力施設と連携しながら治療を行っています。