2023年4月1日。日本初の小児臨床超音波センターが開設されました。『小児科医』が『実臨床』の中で自ら『超音波検査』を行うセンターです。今後の小児救急医療にはこのスタイルが必要と考え2011年から計画を進めてきたプロジェクトがとうとう形になりました。その火付け人である故 市川光太郎名誉院長は『常に謙虚に』。という言葉をモットーにしておりました。当センターはその言葉を胸に、こどもたちの声なき声を超音波検査で聞く代弁者でありたいと思います。
自ら外来で、また他の担当医やご紹介いただいた患者様に対して、腹痛や嘔吐の原因、熱の原因はもとより、原因不明のしこり(腫瘤)や不機嫌、歩けない、など多くの訴えに対して超音波検査を施行致します。原因が不明な場合でも、緊急性があるのかどうか、などを見分けていきます。また超音波検査も臨床医が行いますので、その場で臨床的な追加治療や追加検査の説明や方針検討も行います(ダブルアイシステム)。そして、入院や外来などすべての患者様に超音波検査を用いてプラス1の医療を提供できないかということを日々模索しております。
また、当院には小児超音波の研鑽を希望し全国から多くの医師が研修にきてくれます。週に一回、半年、一年、また後期研修医として3年間などいろいろなニーズに合わせて、診断をつける武器、そして診断エラーから防ぐ防具を得てもらうことを目標にしています。当センターの卒業生が全国で超音波検査を駆使し活躍しています。『どこの放射線科で超音波を学んだの?』『小児科でしか研修をしていません!』という嬉しいやりとりもあるようです。
↑久留米大学よりエコー研修に来られた加藤先生(左)とセンター長の小野先生(右)
エコー研修に来られた市村先生(左)と超音波指導医認定証を持たれている小野先生(中央)と天本副院長(右)