小児救急センターとの連携により、顔や手のケガ、やけどといった小児の外傷が多いのが当科の特徴のひとつです。
また、先天異常、なかでも口唇口蓋裂の治療に関しては、北九州市立総合療育センターとの連携によって、北九州市近郊のみならず、島根県、山口県、大分県からも来院されています。
その他の先天異常としては、小耳症、折れ耳、カップ耳、耳瘻孔などの耳の疾患、先天性眼瞼下垂、睫毛内反症などの眼瞼の疾患、舌小帯短縮症、臍ヘルニア、多指(趾)症、合指(趾)症など、身体各所の様々な形態異常の治療に当たっています。
小児に多い皮膚の腫瘍では、類皮嚢腫、石灰化上皮腫、色素性母斑、脂線母斑、各種の血管腫などがあります。
青壮年では、労災関係、交通外傷、スポーツ外傷が多く、顔面皮膚軟部組織損傷、頬骨、上下顎骨、鼻骨などの顔面骨骨折、手では開放骨折、腱・神経損傷、指切断などが対象となります。
粉瘤、脂肪腫、ガングリオンなどの腫瘍も多く見られます。
足では、巻き爪や爪が食い込んで炎症を起こす陥入爪に悩む方が増えてきますが、爪のケアや手術を行います。
腋の汗が原因となる腋臭症(わきが)や多汗症(わき汗)もこの年代が多く、臭いが主な症状となる腋臭症は手術で、汗の量が問題となる多汗症は注射で治療を行っています。
また、市内の開業の矯正歯科や長崎大学形成外科などと協力し、顎変形症の手術を行っています。
口唇口蓋裂など、手術の技術進歩により、以前行われた手術による変形は、現在の技術で修正することによりかなり改善できる場合があります。
高齢者では、動脈硬化や糖尿病などによる血流低下が起こり、褥瘡や糖尿病性足病変などの治りにくい皮膚潰瘍が多くなります。糖尿病内科、循環器内科の協力も得ながら、持続陰圧療法や各種の創傷被覆剤、サイトカイン外用剤などによる治療や、皮膚移植、植皮術などの手術を行っています。
老人性眼瞼下垂、老人性イボ(脂漏性角化症)など、加齢による変化によるものも多くなります。
また、皮膚がん(基底細胞癌、扁平上皮癌)や前癌状態としての日光角化症など、加齢とともに増えてきますので、病変の切除を行い、切除した後もできるだけ変形が起こらないように再建を行います。
爪の伸びが悪くなり、変形が起こりやすくなるため、巻き爪や爪が食い込んで炎症を起こす陥入爪が起こりやすく爪のケアや手術を行います。
口唇口蓋裂など、手術の技術進歩により、以前行われた手術による変形は、現在の技術で修正することによりかなり改善できる場合があります。
長年の経過により深いやけどの跡に皮膚がんが生じることがあります。やけどの跡に、コブや治りにくい傷ができるようになったら、受診してください。
顔の片側がピクピクする片側顔面けいれんや、まぶたがひきつって開きにくくなる眼瞼けいれんには、ボトックス注射(保険適応)が有効な場合があります。
また、新たに重症の原発性腋窩多汗症もボトックス治療が保険適応になりました。
いずれも、約4ヶ月間効果が持続します。
腋窩の発汗については、わき汗が多量に出る重度の腋窩多汗症に対してはこのボトックス治療を行い、臭いが問題となる腋臭症(わきが)に対しては手術を行ないます。
新たにQスイッチルビーレーザーが導入されました。
茶色あるいは青色のアザの一種である太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着に対して、他にはない効果が得られ、これらは保険適応となっています。
一般の外来診療は平日午前中(受付時間8:00~11:00)となっております。また、口唇口蓋裂を主とした先天性形態異常の専門外来(予約制)を木曜日の午前中に行っています。
夜間待機を担当し、救命救急センターや小児救急センターに来院された顔面や手などの外傷や熱傷で専門的治療が必要な救急症例の対応を、毎日行っています。
時間外の診療に関しましては、形成外科として対応する余裕がない場合がありますので、事前にお問い合わせください。