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「心不全」とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、次第に悪化して生命を縮める病気です。心臓が悪くなる原因としては、高血圧、心臓の栄養血管の病気(狭心症や心筋梗塞)、不整脈、心臓弁膜症、心臓の筋肉の病気(心筋症)などが挙げられます。
近年心不全患者さんの高齢化が特に問題になっています。高齢の心不全患者さんは入退院を繰り返す傾向にあり、入退院を繰り返すうちに、心臓は徐々に弱っていき、生命を縮めてしまうからです。
この悪循環を絶つべく、当院においては1) 早期の原因究明と治療介入、2) 最適な薬物治療、3) 多職種での連携、に取り組んでいます。実際に、医師のみならず心不全治療専門の看護師も一緒に病状の説明を行ったり、薬剤師が直接患者さんへ薬の説明を行ったりすることで、患者さんの病気に対する理解や治療に対する意欲は飛躍的に改善します。また、管理栄養士が、患者さんの食生活について聴取することで問題点が明確になり、食生活の具体的な指導ができます。適切な運動療法にも心不全予防効果があります。当院では、以前から高齢者に対しても積極的に心臓リハビリテーションを行っています。重度の心不全患者さんや高齢の心不全患者さんにも安全かつ適切な運動療法を提供するために、運動への耐久性を評価する心肺運動負荷試験(CPX)を積極的に施行しています。
心筋梗塞とは、心臓の筋肉を栄養している血管(冠動脈)が詰まって血流が途絶えた結果、心筋の一部が死んでしまう(壊死といいます)病気です。心筋が壊死することによって、心臓の動きが停止してしまうような危険な不整脈が発生して、命を落としてしまう恐れもあります。心筋梗塞の死亡率は約40%と非常に高く、実際に年間約4万人もの人が心筋梗塞で亡くなっています。発症した場合には、できるだけ早くカテーテル治療を行う必要があります。
当院では、心筋梗塞で緊急のカテーテル治療を必要とする患者様を平日24時間体制で受け入れています。また、最新のカテーテル装置(バイプレーン装置)を用いて造影剤の使用量を軽減するように取り組んでおり、患者さんに優しいカテーテル治療を目指しています。
狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患を有する患者さんは、足や腎臓などの末梢血管にも動脈硬化を来していることが多いため、血管エコーやABI(足関節上腕血圧比)検査による非侵襲的な精査も積極的に行っています。長年の喫煙、糖尿病、高コレステロール血症などは全身の動脈硬化のリスクとなるため、これらに該当する患者さんのスクリーニング検査も行っています。
不適切に脈が遅くなったり早くなったりすることで、息切れ、ふらつき、めまい、動悸や失神などの症状を呈することがあります。
脈が遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)に対しては、ペースメーカの植え込み手術を行います。当院では、ペースメーカを植込んだ患者さんに対して、遠隔モニタリングを用いた管理を行っています。遠隔モニタリングを用いることで、安全を担保した上で患者さんの通院回数の負担を軽減することができます。
また、令和7年5月からは脈が速くなる不整脈(頻脈性不整脈)に対するカテーテルアブレーション治療を本格的に開始しました。三次元のマッピング機器を用いて不整脈の起源や回路を同定して焼灼することで、不整脈を抑制します。頻脈性不整脈を治療することで、動悸症状の改善や心不全の予防につながります。
令和8年度中には不整脈専門医研修施設の認定を目指しており、患者さんに最善の治療を提供できるように努めています。