ヘルニアといっても色々なヘルニアがありますが、ここでは鼠径ヘルニア(脱腸)、腹壁ヘルニアについて説明します
上部の鼠径靭帯で鼠径部の皮下に出るヘルニアのこと。別名脱腸。
発病箇所と原因
男性では、27%と非常に高率で起きる、睾丸は温度が低いと、腹腔内に入り、暑いと陰嚢に下がってくる。睾丸が腹腔内に入いったり出たりする通路に腸が入り込んで起こる。腹腔外に出た腸が捩れて戻れなくなった場合、壊疽を起こして生命に危険となる。
女性でも3%に発生するという報告がある。 男性に多い外側のヘルニアの場合、陰囊内で睾丸が異常な状態で下降するとき先天的に発病する。その時、腫瘤ができ、発病が確認される。ひどい場合陰囊に腫瘤ができる。
女性のヘルニアは、大陰唇皮下に発病。
腸管がねじれ嵌頓ヘルニアを併発する可能性があるため危険。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
Parietex Anatomical Mesh | ウルトラプロメッシュ | タイレーンメッシュ |
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![]() 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術で使用します |
![]() 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術で使用します |
![]() 鼠径ヘルニア(従来法)で使用します。チタンコーティングメッシュです |
一度お腹の手術をしたことのある人でお腹の傷の部分が弱くなって「ぽこっ」と出て来ることがあります。
これが「腹壁瘢痕ヘルニア」というものです。
圧がかかるたびに弱いところが広がっていくため、徐々に大きくなることがあります。
手術は弱い部分を縫合したり、メッシュ(人工線維)をあてて補強したりします。
胸とお腹の間には横隔膜という筋肉組織の壁があります。
その壁を食道が貫いて胃に達しているのですが、そのつらぬく穴を食道裂孔といいます。
食道裂孔が筋肉組織の脆弱化などによって広がってしまい、その広がった穴から胸の中へお腹の臓器が脱出することがあります。
特に高齢者では胃がそのまま胸の中へ飛び出てしまっている人がときどき見かけます。
むねやけがしたり、食事が通りにくいなどの症状がある場合は手術を検討してみるのもいいでしょう。
大腸や小腸で作成した人工肛門部のすきまから腹壁内へ腸管が脱出することがあります。
ストーマの管理上支障がある場合や、美容上の問題、痛みなどの症状がある場合に手術適応となります。
また、腸閉塞や嵌頓を来した場合は緊急手術となります。
最近では腹腔鏡下に手術が可能となりました。
症例によっては困難な場合もありますので、ご相談ください。
Sugarbaker変法
Keyhole法
原則として手術前日(前日が休日の場合はその前の平日)に入院していただきます。手術時間は約1時間から2時間です。夕方から飲水、翌日朝から食事がでます。歩行も翌日から可能です。手術日を含めて4日で退院できます。
クリニカルパスシート[PDF]
※病状や体調によって入院期間が延長することもあります
腹腔鏡手術の場合は傷が小さいので従来の手術法と比べて一般的に痛みは軽くなります。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術における再発率は4-5%と報告されてます。
(日本内視鏡外科学会第12回アンケート調査)
再発の原因としては、メッシュの逸脱、メッシュのサイズ不足等が報告されています
原則として子ども(女児)ではヘルニアの穴を糸で縛る手術を行います。男児では現在腹腔鏡下手術は行っておりません。
大人の場合はメッシュという人工線維を補強材として腹壁に埋め込む手術を行います。
それぞれ腹腔鏡下手術と従来法があります。