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診療案内

消化器内科

早期消化管がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術は年間約400例以上行っており、高難度ESDも増加しています

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 北九州市立医療センター・消化器内科で診療している主な病気は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、膵臓、胆道の病気です。
 がんの他には、難治性疾患であるクローン病や潰瘍性大腸炎などの多くの炎症性腸疾患患者を診療しています。炎症性腸疾患については、多くの治験にも参加しております。さらに、胃腸のがん、胆道がんや膵臓がんなどに対する抗がん剤治療を行っています。

 内視鏡手術は非常に力を入れており、早期胃がん、食道がん、十二指腸がん、大腸がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を年間に約400症例行っています。

当院はもともと福岡県内で他に先駆けて胃、食道、大腸ESDを黎明期より普及させてきた実績がありました。その伝統を繋ぐべく、近年では難度の高いESDや、十二指腸ESDや内視鏡的十二指腸乳頭切除術を導入しております。最近では北九州市のみならず福岡市内や北部九州の医療圏から患者様を受け入れております。
特に、
*十二指腸がん、*十二指腸腺腫に対するESDと、
*十二指腸乳頭部がん、*十二指腸乳頭部腺腫に対する十二指腸乳頭切除術を年間40例以上行っています。

*十二指腸について
十二指腸腫瘍は稀な腫瘍と報告されてきました。しかしながら、内視鏡による上部消化管スクリーニング検査の普及を背景に,近年,十二指腸腫瘍が発見されることが多くなり、それに伴い内視鏡治療の頻度も増えてきています。
十二指腸の外科手術は侵襲が高いため、十二指腸腺腫・癌の早期診断と低侵襲治療の必要性が高まりつつあります。しかしながら、十二指腸においては腸壁が薄いため切除した際に穿孔しやすいこと。十二指腸内で内視鏡をキープすることが難しいこと。胆汁や膵液の刺激を受けやすく治療後の出血や穿孔などのリスクが高いこと、などの問題点から内視鏡治療は難易度が高く、高度な技術を要する上に、術中、術後の偶発症に対する体制の整備が必須と考えられています。

*十二指腸腫瘍の治療法について
内視鏡治療としては異例の高リスク処置であることから十二指腸領域の疾患は嫌厭され、治療を控える施設が多く、保険承認されてもなお治療が受けられる施設は福岡県内では限られております。したがって、十二指腸における内視鏡治療において最も重要なのは治療中の安全性の確保と治療後の偶発症予防となります。
サイズが10mm以上20mm未満の場合は通常の静脈麻酔下に水深下で内視鏡的粘膜切除術(UnderwaterEMR)を選択します。サイズの大きな、EMRでは難しい腫瘍に対しては、高度で繊細な技術を要する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を、全身麻酔下に体動を抑制したうえで行います。治療中のわずかな体動も穿孔の原因となるために最新の注意を払う必要があります。十二指腸は粘膜下層が硬く内視鏡が潜り込みにくいために浸水下に電気メスを使用して切除を行います。

*十二指腸乳頭部切除について
十二指腸は乳頭部という特殊な部位が存在します。
ご存知のように肝臓で産生される胆汁・膵臓で産生される膵液が十二指腸に流れ出る出口が十二指腸乳頭部です。この十二指腸乳頭部は化学的な刺激を受けやすい部位でもあり十二指腸の中でも腫瘍ができやすい場所とされています。当科では十二指腸乳頭部腺腫や上皮内癌に対する内視鏡的な切除術(内視鏡的乳頭切除術 Endoscopic papillectomy:EP)も行っています。乳頭部の腫瘍に投げ縄のような形態の針金であるスネアを掛け、高周波電流を流して切除します(図2-3)。手術に比して侵襲性の低さがメリットとなりますが、切除後の出血や穿孔、胆汁・膵液の出口(十二指腸乳頭部)に熱を加えて切除するため膵炎等が一定の割合で起こります。通常の内視鏡を使用した治療と比較すると重篤な合併症が起こり得るため、当科では術前に1週間の検査入院を行い、十分に治療適応や作戦を練り、1ヶ月以上開けて内視鏡的乳頭切除術を行っています。当科は15年以上EPに携わり、150例以上の経験を有しているスタッフが在籍しており、症例ごとに偶発症への予防策や備えについては最新の注意を払っています。我々は偶発症(穿孔や出血)を低減させるために、術直後に十二指腸内に減圧と腸液ドレナージ用の経鼻チューブを留置しています。

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