当科の特徴は、造血幹細胞移植を積極的に治療戦略の中に取り入れていることです。造血幹細胞移植は、他の臓器移植と異なり、他人の免疫細胞が大量に移植されます。この免疫細胞の力を利用することで、抗がん剤が効かなくなった患者さんでも病気を治癒に導ける可能性があるのです。ただし、造血幹細胞移植を行うには適切なドナーさんを見つける必要があります。今までは、兄妹や公的なバンクにドナーがいなければ移植ができませんでした。ところが近年、移植片対宿主病(GVHD)という悪い免疫反応の制御技術が進歩したため、これまで不可能と思われていた親子間での移植が可能となりました。こうした新しい技術も組み入れながら、患者さんの「治したい」という気持ちに常に寄り添い、根治の可能性をなくさない診療を心がけております。