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呼吸器外科得意分野及び対象疾患

肺癌

 心臓外科チームとの連携による拡大合併手術、 進行肺癌に対する術前導入化学・放射線治療後の手術なども行う一方で、 気管支形成術などの機能温存手術や、高齢者や低肺機能患者における区域切除や部分切除などの縮小手術、早期がんに対する縮小手術など、術式の選択の幅は広く、一つの術式にこだわらず、個々の患者さんに適した治療、術式の選択を心がけています。また、多くの症例で胸腔鏡下手術を行っています。
 最近ではCTの普及もあり、比較的早い病期の肺癌が多く見つかるようになりました。病気の進行度を表す病期IAが53%、IBが19%とI期症例が7割を占めるようになってきています。

呼吸器外科 肺癌切除例病期分布.png

 肺癌はもともと高齢者に多い病気ですが、高齢化と元気な高齢者が増えたこともあり、肺癌の手術を受ける患者さんの年令も年々高くなってきています。男女ともに70才代が最も多く、80才代以上も14%を占めています。

呼吸器外科 肺癌切除例年令分布.png

 当院の肺癌全切除例(2006-2015年、1,159例)の5年生存率は75%であり、手術死亡率(術後30日以内の死亡)は0.5%でした。病理病期別の5年生存率はIA期91%、IB期78%、IIA期65%、IIB期55%、IIIA期44%でした。80才以上の超高齢者も、適切な手術適応と術式の選択により、良好な遠隔成績を得ています。気管支形成を伴う肺葉切除術 (sleeve lobectomy) は気管支の吻合術を行うことで全摘を回避する術式です。当科の気管支形成術(42例)の5年生存率は全体で61.2%であり、病期別に見ても、肺葉切除と遜色のない成績が得られています。手術関連死亡はありませんでした。

肺癌全切除例の生存曲線と5年生存率

肺癌切除例の病理病期別生存曲線と5年生存率

転移性肺腫瘍

 いろいろな癌が肺に転移することがあります。原発巣に再発が無く、肺以外に転移の無い場合は肺転移に対して切除術を行うことがあります。特に大腸癌の肺転移は手術の対象となることが多く、5年生存率は約50%です。

縦隔腫瘍

 両側の肺に挟まれた、気管、心臓・大血管、食道などがある場所を縦隔とよびます。ここにできた腫瘍を縦隔腫瘍と呼びますが、良性、悪性両方があり、種類もいろいろです。一部の例外を除き、多くは手術の対象となりますが、良性腫瘍の多くは胸腔鏡下手術が可能です。

自然気胸

 若いやせ形の男性に多い病気です。再発が多い病気ですが、初回は手術以外の保存的治療を原則としています。再発例や保存的治療でコントロールできない例では手術を行いますが、初回でも受験生などで希望があれば手術を行うこともあります。ほぼ全例が胸腔鏡で手術可能です。従来胸腔鏡下手術は術後の再発率が高いと言われていましたが、当科では術式の工夫により再発率の減少を図っています。

膿胸

 胸腔に膿がたまる病気です。長期の入院治療、複数回の手術が必要になることも多く、呼吸器外科領域の中でも厄介な病気のひとつです。当科では肺や気管支からの空気の漏れがない無瘻性の膿胸に対しては、比較的早い時期に胸腔鏡下に胸腔内の洗浄・掻爬・ドレナージを行うことで、手術の回避、治療期間の短縮を図っています。

胸腔鏡下手術について

 胸腔鏡は一種のビデオカメラで、これを用いて胸腔内を観察しながら手術を行うのが胸腔鏡下手術です。傷も小さくて済み、術後の疼痛も少なく、多くの手術を胸腔鏡下に行っています。当科では気胸の94%(若年者の自然気胸では100%)、良性縦隔腫瘍の83%、転移性肺腫瘍の91%、膿胸の61%が胸腔鏡下に行われています。
 原発性肺癌に対しても胸腔鏡下手術を行っています。肺癌に対する標準的な術式である肺葉切除とリンパ節郭清に関しては現在当科では、6~8cm程度の傷1カ所と、1~2cmの傷数カ所により行っています。肋骨の切離を行わず、肋間筋以外の筋肉を切らず、開胸器(肋間を広げる器械)も使用しません。出血量も少なく、術後の痛みも少なく、術後の回復も早いのが利点です。しかしながらすべての肺癌に対して胸腔鏡下手術が可能なわけではありません。最大の欠点は視野が狭いこと、予期せぬ大出血に対する対応が困難なことです。肺癌の手術では心臓から直接出ている血管を処理しますので、大出血の危険性を常にはらんでいるのも事実です。当科ではあくまで安全性と確実性を重視し、これらが担保されたうえで胸腔鏡下手術を行っています。これらを犠牲にした上での胸腔鏡下手術は本末転倒と考えています。胸腔鏡手術がより安全に行われるようになった背景には様々な手術器械の進歩もありますが、当院では3D-CT肺動静脈造影が大きな役割をしています。狭い視野での手術ですので、血管の走行を立体的に術前に把握できていることで、より安全な手術が可能となっています。 区域切除や葉切除を予定している症例のほぼ全例に3D-CT画像の作成を行っています。

胸腔鏡下手術風景
肺癌の術前3D-CT画像

 2010~2016年922例の肺癌手術症例の80%(部分切除の95%,区域切除の90%,肺葉切除の78%)が胸腔鏡下に行われています。開胸手術も胸腔鏡を補助的に使うことでより小さな傷で行うことが可能です。

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