脳腫瘍・脳卒中を中心に小児脳神経外科、機能外科など幅広く脳神経疾患に対し診療を行っています
地域がん診療連携拠点病院における脳腫瘍の集学的治療を担当しています。 外科治療(摘出術、生検術)から放射線/化学療法まで一貫して当院で治療を行うことが可能です。脳腫瘍は「希少がん」の1つに分類され、その治療には専門的知識が求められます。詳細な術前画像検討と様々な術中支援システムを駆使し、機能温存を重視した最大限の摘出手術を行っています。さらに、手術後の放射線療法や化学療法などの治療を要する場合は、摘出した腫瘍の組織診断に遺伝子レベルの解析も加え、一人ひとりに最適な治療方針を検討しています。代表的な脳原発腫瘍(脳そのものから発生する腫瘍)であるグリオーマは、その診断・治療はさらに複雑となり、専門性の高い領域になっています。転移性脳腫瘍(他臓器がんからの転移)の場合は、各診療科と連携して患者さんの病状を考慮した優先順位を検討し、外科治療、放射線療法、化学療法など最適な治療を行っています。
脳卒中(脳血管疾患)はわが国の死因第3位に位置し、高齢化が進んだ現在では非常に多い病気です。いわゆる「生活習慣病」や「メタボリック症候群」から動脈硬化を引き起こして生じるものから、動静脈奇形やもやもや病が原因のものまで様々です。当科では可能な限り、迅速な診断、治療を心がけています。 また、脳卒中再発予防を目的とした治療や、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(未破裂)に対する治療も行っています。いずれも手術の適応は科学的根拠に基づいて厳格に行っており、適正な治療を行っています。
小児脳神経外科領域では、主に水頭症と二分脊椎(脊髄髄膜瘤、脊髄脂肪腫など)の 治療を行っています。小児の特殊性から小児科、小児外科、産科との協力体制を整え、治療にあたっています。特に、二分脊椎では長期的な機能予後を重視した手術が必要となります。術中の神経機能をモニタリングしながら手術を行っています。
顔の激しい痛み(電撃痛)が起こる三叉神経痛や、片側の顔面(目や口の周り)のピクつきが起こる顔面痙攣は脳幹からでる神経(三叉神経、顔面神経)が周囲を走行する血管に圧迫されて起こります。治療には三叉神経に対しては内服治療、神経ブロック、ガンマナイフ治療、 顔面痙攣に対してはボツリヌス毒素注入などの治療がありますが、効果がない場合は根本的治療として、神経を圧迫している血管を移動させ圧迫を解除する手術(微小血管減圧術)を行っています。
当院では積極的に正常圧水頭症(iNPH:アイ・エヌ・ピー・エイチ)の診療を行っております。正常圧水頭症は、主に高齢者において認知機能障害、歩行障害、排尿障害を呈する疾患で、徐々に進行していく特徴があります。アルツハイマー病やパーキンソン病と症状が似ているため誤解されることも多いですが、正常圧水頭症は手術により症状の改善が期待できる疾患です。早期の治療により、症状が改善する可能性も高くなりますので、早期発見・早期治療が肝要です。詳細については、下記よりご確認ください。